プロデュースノート

Twitterだと長すぎるダイマや考察を書き留めておくところ

【この記事について】
アイドルマスターシンデレラガールズには「キュート」「クール」「パッション」の3つの属性が存在する。
これら3属性はそれぞれ共通した性質や法則を持ち、アイドルの言動にも一定の共通点を見出すことが可能である。ここでは、シンデレラガールズの3属性にどのような性質があるのかを考察し、辻野あかりをはじめとしたいわゆる「新アイドル」たちがなぜその属性を持っているのかを考えてみようと思う。

なお、この記事は、ねこまのちゃん氏のブロマガ【アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」を貫く3属性の法則】および【シンデレラガールズ あのアイドルがキュート/クール/パッションな理由 -3属性考察-】に基づいている。ユーザーブロマガのサービス終了に際し、この記事の内容を残しておくことも目的としている。2021年10月7日以降は先の記事は閲覧できない可能性があるので注意。
ブログ記事が移転されました。ブログのリンク先を変更しました。2021年5月4日追記



【各属性の定義】
<能力としての3属性>
それぞれの属性には、状況や問題に対する解決として、発揮する能力や持っている性質が異なっている。ここでは以下のように定義する

キュートは『受容』(状況を受け入れ、自らに適応させる力。受け身な性質)
クールは『泰然』(状況に動じず、自分のやり方を貫かせる力。信念を持った性質)
パッションは『支配』(状況を自らのものにしようとする力。人やモノを先導する性質)


<シンボルとしての3属性>
各属性を表すシンボルがある。キュートは「」、クールは「ダイヤモンド」、パッションは「太陽」である。このシンボルも属性の特徴を示すものとなっている。

は自ら芽を出す場所を選ぶことができない。種の落ちた環境に合わせ生きる適応力の象徴
ダイヤモンドは外部からの強い力にも耐え、自らの形を保とうとする泰然自若の象徴
太陽の熱は時に旅人を、時に地球の環境さえ変化させる支配と影響力の象徴

<こだわりとしての3属性>
デレマスには様々な”こだわり”を持ったアイドルがいる。”こだわり”に対する姿勢も属性によってことなる。
キュートは『依存』(こだわりの対象で自分の感情を満たす)
佐久間まゆ(プロデューサー) 棟方愛海(お山) 太田優(アッキー) 三村かな子(甘いもの) 大西由里子(同人誌) 一ノ瀬志希(匂い) 大原みちる(パン)

クールは『自己表現』(こだわりの対象が自らの生き方を示す)
多田李衣菜(ロック) 神崎蘭子(闇の言葉) 荒木比奈(オタ活) 成宮由愛(絵を描く) 松本沙理奈(セクシー) 伊集院惠(一人旅)

パッションは『影響』(こだわりに何かしらの変化や影響を与える)
相葉夕美(ガーデニング) 小関麗奈(いたずら) 堀裕子(サイキック) 衛藤美紗希(自分磨き) 財前時子(お仕置き) 矢口美羽(人を笑わせる) 若林智香(応援)



【142'sを用いた例】
新アイドル達の考察に入る前に、以上挙げた属性の定義を確認してみたいと思う。まずは2020年9月20日にデレステで開催されたイベント、オレンジタイムを用いてみよう。

このイベントコミュの内容をざっくり説明すると、輿水幸子白坂小梅星輝子の3人ユニット「142’s」が開催するファンイベント内容を決めるにあたって、イベント会社の社長と意見が割れてしまい、イベント内容が変わってしまいそうになる…というものである。この「イベントの内容が変わってしまいそうになる」という問題に対して、3人が取った対応にそれぞれの属性の特徴が明確に表れている。詳細はイベントコミュの4話を確認してほしい。

142'sの想定した内容「これまでの活動を応援してくれたファンに対する感謝」
イベント会社の社長が出した草案「142'sの特色を押し出したイロモノユニットとしてのイベント」

これに対する3人の反応/対応
幸子の場合》
「でも、偉い人なんですよねぇ…すごい圧が強いし、自信満々ですし…うぅ、やるしかないんでしょうか。」
・社長の出した提案に納得がいかないながらも、それを受け入れて沿おうとした

小梅の場合》
「会場で、ガチの心霊現象…?私がやるの…?あの子も、みんなも、こういうの…大丈夫かな…。」
「な、なんだか…私たちの考えてたのと、違う感じになっちゃいそう…?」
・企画内容が変わってしまうことに疑念を抱く(つまり、あくまでも自分たちの企画が前提と考えている)

輝子の場合》
「親友は、ずっと見てきたんだ…!私たちのことも、たくさんのトモダチのことも…(中略)表面しか見てないで…口出すなんて、するなアアアァァ!!!シャァァァット、アァァァップ!!」
・押しの強かった社長に対し、ヒャッハーすることで142's側の調子に持って行くことで草案をナシにすることに成功する

このように、同じ問題であっても属性が違うことによって対応が異なることが分かる。
この場合は輝子(パッションの『支配』)のヒャッハーが解決のきっかけとなったが、似たようなケースでパッションがいない場合、例えばDimention-3は監督への相談なしで脚本を変えるというクール的な方法で自分たちの在り方を示した(「バベル」はクール属性の楽曲である。長くなるので詳細は各自イベントコミュで確認されたし)

最後に3人のもつ”こだわり”についても確認してみよう
幸子の場合》
輿水幸子は「カワイイ」にこだわりをもつアイドルである。カワイくあろうとしたり、周りからカワイイと思われることは、彼女の感情を満たしている。自信家な性格や「フフーン」という口癖からも、カワイイが自分の感情を満たすためのキュート的な存在であると捉えることができる。

小梅の場合》
白坂小梅のこだわりは「ホラー」である。私服やアクセサリーにゴシック,ホラー系のものを取り入れていたり、衣装やお仕事(メモリアルコミュ4話など)にホラーを用いたりするところは、ホラーが小梅の生き方を表すものだということを示している。

輝子の場合》
星輝子のこだわりは「キノコ栽培」「メタル」である。キノコ栽培はキノコを世話することでキノコを成長させる、つまり対象へ変化を与えるものである。メタルも、聞いた人の感情を揺さぶるという点でパッション的である。



【新アイドルたちについて】
各属性の定義の確認ができたところでようやく本題である。辻野あかりをはじめとした新アイドル7人の属性について考察してみよう。

辻野あかり
「んご…都会で流行ってるって聞いたのにな~。おかしいんご…」

辻野あかりはキュート属性のアイドルである。
独特の語尾「んご」は、「流行ってる」という話を鵜のみにしたことによる。これは彼女が都会に慣れるために取った対応の1つだ。

モバマスの9thアニバアイプロのコミュの1つに次のようなセリフがある。
「○○さん、世間が『んご』に飽き始めたら教えてくださいね!急いでキャラ変えるんで!」
「やっぱり何事にも柔軟に対応できないと!私は世の中の需要に寄せていきますよ!」
自分がアイドルとして活躍するためには自分のキャラを変えても構わないという姿勢、それがプロデューサー依存なところは実にキュート的である。これは同じくキュート属性の前川みくにも共通する点である。みくの猫キャラは厳しいアイドル界を生きるために考えたアイデアであることが語られている。(「考えが甘かったんだ。みくくらいの可愛さの子は、アイドル界にはたくさんいるって、知らなかったから…」メモリアルコミュ3話)
辻野あかりにとって初めてのユニットの相手が彼女だったのは何かの縁かもしれない。


砂塚あきら
「今は個性っていうか、スタイルの時代でしょ。自分らしく、とか。みんなオンリーワンとか。」

砂塚あきらクール属性のアイドルである。彼女は「ファッション」「SNS」にこだわりを持つアイドルである。モダンで個性的な衣装や、セリフにハッシュタグが使われているところには彼女のこだわりが自分の生き方を示すものとして扱われていると捉えることが可能だ。

砂塚あきらクールらしさは、営業コミュ[ファッションは誰のため?](城ヶ崎美嘉/砂塚あきら)によく表れている。
SNS,ブログに対する思いとして、美嘉は「みんな、楽しんでくれるといーなー」と言っているのに対し、あきらは「誰かのためじゃなくて、自分のためなんで。見た人がアガってくれれば、それはそれで嬉しいデスけど…あんまりそーゆーのに左右されたくなくて。」と言っている。美嘉は人を楽しませるというパッション的な姿勢、あきらは自分の楽しみというクール的な姿勢である。
さらに、「誰かの期待とかお願いとか…そーゆーの背負うのって、わりとイイもんだよ★」と、美嘉は「人のために」というパッション的な姿勢をあきらに対して提案してみる。それにあきらは「美嘉サンは美嘉サン。自分は自分。リスペクトはしてますけど、それでペース崩すのは違うんで。自分なりに、やってきますよ。」とあくまで自分のやり方を第一にする意思を見せた。(その後「わりとイイもん、か…」とあきらの心がそれなりに動かされた描写もある)

外部からの影響を受け止めつつも、自分のやり方を貫こうとする砂塚あきらの姿はまさしくクール属性と言える。



夢見りあむ
「炎上でもいい!目立ちたい!」

夢見りあむパッション属性のアイドルである。彼女とは切っても切れない関係に「炎上」がある。「炎上」とは、ある人の発言や行動が大きな波紋を呼ぶ事象でありパッション的だ。

他アイドルとの関係においても、彼女の言動はついつい構ってあげたり意識せざるを得なくなったりしてしまうことが、イベントコミュ[夢を覗いたら]の4話(加蓮ママの回)などで確認できる。イベントコミュ[Sun!High!Gold!]4話では、プロデューサーの労いを手伝おうとしたところ、水をこぼしたことで注意の対象がプロデューサーから一瞬りあむに移る(場を自らのものにする性質)も、加蓮雪美クール属性(場に動じない性質)なのでほったらかしにされた。それぞれの属性の特徴が顕著に表れたシーンである。

彼女のこだわり(趣味)である「現場参戦」も、地下アイドルを推すという行為は対象に何かしらの変化や影響を与える行為としてパッション的である。(若林智香の「応援」に近い)
デレマス世界の内外を問わず発揮されるその強い影響力は、彼女のパッション属性らしさを存分に表している。



黒埼ちとせ
「私ね。長くないと思うの。だから、今が楽しければそれでいい。」

黒埼ちとせキュート属性のアイドルである。
白雪千夜を「僕」として、自分は「お嬢さま」として千夜を従えたり、身の回りの世話をさせたりしているのが彼女の特徴である。
このように書くとちとせが『支配』の力を持ったパッション属性のように感じるかもしれない。しかし、彼女のこの「お嬢さま」にはキュート属性らしい背景が存在する。
彼女曰く、「お嬢さま」としての振る舞いは、両親を失った千夜を繋ぎとめるためのものらしく、(「だから一番近くにおいて、ずっと静かに暮らしてきたよ。宝物は、秘密の小箱のなかに、千夜ちゃんは私の僕に。」デレステ[Fascinate]黒埼ちとせ+特訓エピソード・「お嬢さまは、価値のなかった私に意味をくれた」デレステ[Fascinate]白雪千夜+)千夜がアイドルになるよう働きかけたのもまた千夜に生きがいを与えるためである(「千夜ちゃんには生きがいが必要だと思ったの。」デレステ[Fascinate]黒埼ちとせ+)
どうやら千夜を「僕」としてちとせが「お嬢さま」になることは、ちとせが心から望んだことではないらしく、
(「私はあの子の心を支配して、従えたいわけじゃない。」デレステ[Fascinate]黒埼ちとせ+・「千夜ちゃんを私の僕ちゃんじゃなくしてあげて。あの子を、あの子らしくしてあげてほしいの。」Fascinate4話)このことから、ちとせが「お嬢さま」になったのは千夜が両親を失ったという状態にちとせ自身も適応できるようにという意図があったからであり、これはキュート的である。

ちとせと千夜のようないわゆる「主従関係」に近いものを演出しているアイドルに財前時子がいる。彼女がパッション属性なのは、彼女の(主に)プロデューサーに対する振る舞いや調教は、相手をその気にさせるプレイだからである。もしちとせが本当に千夜を自分だけのものにしたくて千夜を僕にしたり、その支配力をアイドル活動にも活かしたりするようであればちとせもパッション属性だったかもしれない。


白雪千夜
「全てはいつか喪われるもの。遅かれ早かれ、いつかは…」

白雪千夜キュート属性のアイドルである。彼女の外見的やプロデューサーに対する冷たい態度など、初見でクール属性だと思った人や、なぜ彼女がキュート属性なのだろうかと感じた人は少なくないだろう。しかし、ここでの属性の定義や上の黒埼ちとせの項を見れば彼女が紛れもなくキュート属性なのが分かる。

命じられた通りアイドルになったことも含め、彼女は黒埼ちとせの言うことなら基本的になんでも従っており、バラエティ番組に出た際は「初めて来たゲストはみんな語尾に『ぴょん』をつけて喋る」というウソも困惑しつつも聞き入れて笑いを取った。
(営業コミュ[The Door into Summer])

ちとせの言うこと以外のことについても、「理由」や「必要性」があればそれに合わせるところに千夜の『受容』の姿勢が表れている。(「何をしようとしているのですか。その行為に意味はありますか」デレステN白雪千夜・「ときにはこうして、待つこともあります。私に必要なことだと判断すれば、ですが。」・デレステ[ひとり、時は過ぎて]・「アイドルに興味はなくとも理由はあります。教える理由は、どこに?」モバマスR白雪千夜)逆に言えば自分にとって不要と判断したことはやらないのも彼女の性格であり、宣材写真をたった1枚で終わらせたり(「そもそも、売り込む必要がないのでは。私は、有名になりたいわけではありません。」「仕事として、求められれば相応に働きます。しかし、あくまで、必要に応じてです。」メモリアルコミュ3話)部屋に物がほとんど置かれていない(≒必要な物以外置かない)など、決定権を「自分にとって必要か不要か」という判断基準に依存している様子を見ると、彼女に強いキュート性があることが分かるだろう。


久川凪
「ポエム・ポエマー・ポエミスト。凪はぽえぽえしています。ぽえーっと」

久川凪パッション属性のアイドルである。彼女の独特の言い回しや言葉選びは周囲の人がつい反応してしまったり、その場を凪の空間にしてしまうようなパッション的な力がある。

ある時には莉嘉がパーソナリティのラジオ番組に出演し、自前のトーク力を発揮させたことで番組の主導権を握りかけた。
(莉嘉「ヤバイヤバイ、ぼーっとしてたら乗っ取られちゃうじゃん!凪ちゃんもトーク力ヤバいって!」営業コミュ[Comical Pops☆Radio])またある時には大道芸のゲストに参加し、主役の道化師を横目に凪空間を形成した(劇場ワイド第366話)

凪のこだわりに「ポエム」がある。同じくポエム作りが趣味である森久保乃々は、ポエムが自己表現になっている
(ストーリーコミュ59話参照)のに対し、凪にとってのポエムは上のような周囲の人を巻き込み場を自分のものにするための役割の1つである。2人は営業コミュ[どんどんうどんポエム旅]で共演している。


久川颯
「はーははーが一番好きだもん。だから、みんなにははーのことを好きになってほしいと思ったんだ。」

久川颯はクール属性のアイドルである。久川凪と比較したとき、そのアクティブなイメージから颯の方をパッション属性だと思った人もいるのではないだろうか。
久川颯の持つクール属性としての性質は「アウェーな状況においても素でいられるところ」に表れている。O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!では小日向美穂宮本フレデリカ乙倉悠貴の3人の先輩アイドルに出会うが、彼女は先輩であることを理解しつつも尻込みせず積極的なコミュニケーションを交わしていた。また、作曲家やスタッフなどといった大人に対しても積極的に自分をアピールしており、これも彼女のクール属性としての強みである。

"こだわり"については、彼女にとって「久川颯自身」がこだわりの対象であり、久川颯自身が自己表現の対象である。メモリアルコミュ1話や3話において、同僚Pやカメラマンの反応が芳しくない(=個性に欠けると思われた)のは、颯が素の自分自身を以って自分自身をアピールしているからなのではないか。
(そのため、目を引く個性を期待している大人側はピンと来ていない様子)久川颯がクール属性であることを考えると、前川みくのように何かキャラ付けをして業界のニーズに応えるということは考えにくい。今後も颯は颯としてファンを増やしていくものと思われる。



【まとめ】
ここでは3属性に定義を設け、それを新アイドルたちに沿わせて解釈した。
何か1つ定義を設け、それに沿わせることによってアイドルの考察や解釈はより深く分かりやすいものになるはずである。また、創作活動という面においても、属性の定義を知っておくことで、アイドルの言動に一貫性を持たせることが期待できる。
2021年2月18日に開催されたイベント「ハーモニクス」では、イベントと合わせてミリオンライブ!の最上静香ジュリアがデレステに実装された。最上静香クール属性として、ジュリアパッション属性として登場したが、これにも属性の定義を用いてなぜそのような属性が与えられたのかを考えることが可能である(デレステのイベントコミュからでも十分解釈は可能であるが、そもそも筆者はミリシタをやっていないのでとりあえず省略する)
モバマスではすでに765ASや876プロのアイドル達に属性が与えられているように、この定義を用いれば、シンデレラガールズのアイドル以外にも3属性を当てはめて考えることもできるだろう。それだけでなく、アイマスとは全く関係ないキャラクター対しても「もしもシンデレラガールズにいたら」とどの属性が相応しいか考えてみたり、その考えがよりキャラクターの解釈を深めることにも繋がるかもしれない。

この記事が生まれるにあたってなくてはならなかったねこまのちゃん氏に改めて感謝します。
属性の定義/解釈については一定の自信をもってお送りしたつもりだが、それでも欠陥や矛盾は避けられないと思うので、この記事に対する意見や指摘や質問などはTwitter(@tyuna_nico)へ遠慮なくどうぞ。

公開から3年の時を経てイベント化された「さよならアンドロメダ」。技術の進化によって生み出された幻想的なMVや、「銀河鉄道の夜」をモチーフとした劇中劇などが大いに話題になりました。

コミュ内では、劇中劇だけでなく、演劇という仕事をするにあたって森久保乃々に一つの課題が生じました。それが「主体性」についてです。
ここでは、今回のコミュエピソードを踏まえ、森久保乃々の主義について書いていきます。


0.演出家の指摘
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演劇の練習をする中、難航する乃々に対して演出家が行った指摘がこれです。
演出家曰く、「森久保乃々には『主体性』が足りない。誰かに応えようとするのではなく、自分が『これでいい』と思える芝居をしなければならない。」とのことです。
演出家の視点としても、そして我々の視点からも、乃々は「受け身」なイメージが強いでしょう。

実は、そんな乃々もひとつ強い主義を持っています。ストーリーコミュ59話でそれが描かれています。



1.森久保乃々が望む世界
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ストーリーコミュのあらすじを確認しましょう。
このコミュは、『乃々を見て変わらなきゃだめだと思った。』というファンレターから、「そのままの自分(逃げたり隠れたりする自分)から変わる必要なんてない」という乃々の考えが見えた というものでした。
森久保乃々は「逃げたり隠れたりすることが認められる優しい世界」を望んでいるのです。

この「逃げたり隠れたりすることが認められる優しい世界」こそ乃々の主義であると見てよいでしょう。乃々にとって、逃げることも隠れることも、心を整理するための手段に過ぎないのです。どれだけ逃げても隠れても、乃々は必ずステージに戻ってきますからね。



1.5.【参考】森久保乃々がクール属性である理由について
少し本筋からそれますが、このような乃々の主義は彼女がクール属性であることの理由にも繋がってきます。
森久保乃々が渋谷凛や大和亜季と同じくクール属性であることが理解できれば、彼女の主義(信念)がクール属性らしい強固なものであることも理解できるかと思います。以下の記事をぜひ読んでみてください。

シンデレラガールズ あのアイドルがキュート/クール/パッションな理由 -3属性考察-
アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」を貫く3属性の法則
属性について|羊|note

2.「悔しい」という感情
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さて、「さよならアンドロメダ」はこのような乃々の主義に関する話を発展させたものとなっています。キーになるのは演出家から言われた言葉に対する乃々の反応です。
演出家の指摘を受けた乃々は、悔しいという感情が起こり、彼女はその存在に気付くことになります。これまでの自分のやり方が通用しないことから悔しいと感じる乃々の感性は実にクール属性らしいものと言えるでしょう。
なお、こうした感情の芽生えは、ストーリーコミュでの「ファンレター」から演出家の「叱責」というより強いアプローチに変わったことも要因の一つと考えることができます。

3.「さよなら」を始める
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「このままでいい」というこれまでのやり方が通らないことを悟り、悔しさを感じた乃々が取った行動が「さよなら」でした。


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その後乃々が課題についてどう考え向き合ったのか、その詳細こそ我々の知りえることではありませんが、何にせよ乃々は公演を通して「弱さとのさよなら」をすることになりました。
これは乃々にとって大きな変化と言えるでしょう。
特訓エピソード(第3項上から4枚目)で「自分じゃない、自分になる。それが、もりくぼの…私の、挑戦。」というセリフがあります。乃々は意図的に一人称を変えることがあり、「もりくぼ」は自信を客観的に見ているとき、「私」は主観的に見ているときに使われています。この「もりくぼ」から「私」への言い換えも、自分自身と向き合った乃々の変化が象徴的に表れているところです。

4.森久保乃々というアイドル
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乃々は「さよなら」をすることで逃げてばかりの自分から変わることができました。
では、これは乃々がこれまで抱いていた主義も変化するということなのでしょうか?

それはおそらくないでしょう。
なぜなら、森久保乃々は「逃げること/隠れることを認めてくれる」アイドルであるからです。
自分自身は環境や状況のに合わせて自分を変化させつつも、ファンに対してはいつも「逃げること/隠れること」を認めようとする信念を持っている、それが森久保乃々というアイドルなのです。

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